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すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブで豊かな社会の実現に向けて、各界のリーダーから提言をいただく連載コンテンツ「Inclusion Rally」。 第7回は「誰もが自分らしく何度でもスタートラインに立てる社会の実現」というテーマで、株式会社TOE THE LINE 代表取締役社長の鈴木 万梨子氏に、女性のエンパワーメントモデルとなる生き方や、ビジネスとして展開した経緯についてうかがいました。
――金融ワカラナイ女子に向けた「きんゆう女子。」という金融サービスや、旅行関連サービスを展開している鈴木さん。起業のきっかけや、なぜ"お金"と"旅行"のサービスを始めたのかなど、これまでの経緯を教えてください。
今回は、テーマが「エンパワーメント」ということで、少しでも読んでくれた方の励みになればと思い、いつもよりディープにお話ししたいと思います。起業や事業をつくった動機は、シンプルにやってみたかった。
でも分析してみると二つ理由があると思います。
一つ目は、私は学生のころから、「両親が望む生き方より、突拍子のない道に行きたい」という気持ちがあったことです。でも実際は、会社員として、親から求められている道を何となく歩む...それが起業する前の私でした。自分の中では葛藤がずっとあり、「とりあえず何か大きなことをしないと...!」と、いつも駆られていました。
親への反発心は、幼いころの家庭環境が影響していると思います。両親が離婚していた時期があり、10代のころは辛い思いをしました。普段は明るく振る舞っていたけど、やりたいことや自分の気持ちを押し殺して、本音を言えない子どものまま大人になったと感じています。
二つ目の理由は、20代のころに旅行会社の法人営業で起業している方と接する機会が多くあったことです。自分のやりたいことを選択してこなかったという意識があったので、誇らしい顔で仕事をしている経営者の方々を見て「私もあんな風になりたい!」という想いが沸き上がってきたのが28~29歳のころでした。
30歳の誕生日の節目に、「とりあえず会社をつくろう」とスタートしたのが「TOE THE LINE」という会社です。
コミュニティ「きんゆう女子。」や、今進めている旅行サービスは、私の経験から生まれたものです。金融サービスを始めたのは、まさに私の母や自分自身のような人を励ましたいという想いからでした。私の母は一時期シングルマザーで苦労をしていました。私も大学入学時には奨学金を借り、お金で苦しんできました。資金が足りずに生活できないというほどではないものの、「お金は嫌なもの」という印象を持ってきたので、その気持ちから解放されたいという気持ちが強くありました。
そんな中でも、10代のころに海外にいくチャンスがあり、現地でのさまざまな出会いから、いろんな家族の形があることに気づきました。家庭において寂しい時間が多かった私にとっては、大きな発見でした。20代は旅行会社の仕事で添乗業務もありましたので、さまざまな国に行くチャンスがあり、文化の違う人たちの生き方、現地に住む日本人の固定概念に縛られない生き方を知りました。
旅行は、リフレッシュする目的だけじゃなくて、出会いや発見があって、人生を前向きに変えるきっかけになると思いました。その経験から、たくさんの人にすてきな旅行をしてもらいたいと旅行サービスを構想しました。
ただ、「やりたい!」とか「何か大きなことをしなくちゃ!」という気持ちだけでは経営は難しいということにも気づきました。さらに、心から楽しくなければ、続きません。家計管理もできない私が会社経営をできるわけがなく、すぐにお金が底をついてしまいました。「きんゆう女子。」は、金融ワカラナイ女子のためと言っていますが、私自身がまさに金融ワカラナイ状態だったんです。
――鈴木さんが掲げられている「何度でもスタートラインに立てる」というビジョンに込めた想いや、世の女性に向けて伝えたいことを教えてください。
私たちの考える「スタートライン」とは、新しいことに挑戦するチャンスだととらえています。「誰かがつくったものではなく、自分で走る出す場所を決める」と考えて、スタートラインは、自分の価値基準だと思うんです。
チャレンジは勇気とパワーがいること。きっかけや誰かの後押しや支援が必要なときがあります。本人の意思や努力も重要ですが、一歩踏み出そうとしている人を包み込むような、温かい社会をつくりたいと考えています。私自身も、たくさんの方にきっかけや支援をしてもらい今があります。失敗もポジティブにとらえられるようになりました。
「何度でも」という言葉には、皆がそうなって受け止め合えれば、もっと生きやすい社会になるのではという想いがこもっています。なので、TOE THE LINEでは、事業を通じて誰もが何度でもスタートラインに立てる社会をめざしていきたいです。
――鈴木さんが、女性に夢や希望を与えるアクションをどのように働きかけているか教えてください。
女性には、見た目のきれいさやコミュニケーション能力を使って働いたり、活躍したりする人も多いですよね。場合によっては、調整役になってまわりの考えを汲み取りすぎて、合わせる側になることが多いので、消耗することもあるのでは?と思っています。クッション役というのは疲れることもあるので、ちょっと休憩できる場所や自分が夢中になれることがあるとバランスを取れるのかなと思います。会社でも家庭でも、自分はこれが好き、これは苦手というシンプルな「軸」があって伝えられる人間関係があると安心できるのかなと思います。
独立・起業するとなったら、軸はより必要だと思います。会社に何のために存在していて、誰をしあわせにするのか?という「軸」があると、合わない仕事は断る勇気を持つことができます。私は、起業したてのころは不安から何でもやらないといけないと必死でしたが、会社としての「軸」ができてくると、自分の好きなことや得意なことが活かせるような仕事が自然と増えていきました。
――「起業するための一歩が踏み出せない」という女性たちに、鈴木さんからぜひアドバイスを!
自分には起業は無理かも?と感じる人もいるかもしれません。でも、興味があるならまずは何カ月間か、練習だと思って思いっきり社長になったつもりでアクションしてみてほしいです。怪我をするなら若い方が良いので、荒治療をおすすめします(笑)。「痛いのは苦手、好きじゃない」という人は、挑戦している人をサポートして、一緒に体験するという方法も良いのでは。
前に進んでいくと誰でも壁にぶつかります。どん底だと思ってしまう時もあると思います。私も今でもすごくつらい夜はたまにあります。でも、「これも、未来の糧にしよう!」という気持ちに持っていければ、大丈夫です。
そういった前向きな気持ちにするためには、自分が喜ぶことをしたり、信頼できる人に話して頼ってみたりすると良いと思います。 私は、本を読むこと、日々の生活をきちんとすることが良かったです。小さなことですが、布団をちゃんとたたむとか、洗濯をするとか、植物に水を毎日あげるとか、お肌を大切にするとか。自分自身を大切にしてあげる。「おはよう」や「おかえり」を、毎日自分に優しく言うとか。そうすることで、だんだんと大丈夫になってきます。
一回、どん底から戻る体験をしておくと、「私は大丈夫!」と自信がついて落ち込むことも怖くなくなり、どん底すら楽しめるくらいになれると思います。自分の解釈次第だと思っています。
――今後、事業でどのようなことを実現したいのか、展望を教えてください。
「TOE THE LINE」は、理念の通り何度でもスタートラインに立ってゴールに向かって走るイメージで、さまざまな事業を生み出すデザイン会社でありたいと考えています。まず最初につくったコミュニティサービス「きんゆう女子。」は、来年別会社にできればと思っています。よく、NPOにしないのかと聞かれるんですが、そこは金融らしく、規模は小さくても、経済の一部でいたいという想いがあります。そのほか、オンラインで、お家にスパやリゾートなどのリフレッシュ体験をお届けする定期便・ギフト便サービスや、長年構想していた、旅行先に合わせてファッションを手配する手ぶら旅行サービスやツアー企画にも挑戦していきます。
――前回のゲストの松田さんから「多様性という価値観はたくさんの個人を開放する可能性がある一方で、たくさんの意見を妨げる可能性もあるのでは?と感じ始めました。鈴木さんが考える、多様性のあるべき状態がとても気になります。」という質問をいただいています。
私の考える多様性のあるべき状態は、一人一人の心の器が広くポジティブな状態であること。開放する個人も、受け止める人たちも「愛があること」が大切だと思います。自分と違う他者を包んであげられる心の器が広い人をどれだけ増やしていけるかが重要だと思います。
時間やお金、心にゆとりのある豊かな人たちが、求めている人たちに与えることを惜しまないこと、そしてそういった支援をしている人たちにも温かい光が当たる、支え合う社会が良いなと思います。
コミュニティ「きんゆう女子。」
https://kinyu-joshi.jp/
「きんゆう女子。」はオフィシャルメンバーを募集中です♩
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―次回ゲストへつなぐラリー
#きんゆう女子 (@kinyu_joshi)などを運営する、(株)TOE THE LINEの鈴木万梨子さんにお話をうかがいました!「金融ワカラナイ女子」の鈴木さんが起業したきっかけや、女性をエンパワーメントする生き方など、自分らしく生きるためのヒントがいっぱいですhttps://t.co/LURwZkZ866
— この指とーまれ! (@maruigroup) July 9, 2021
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