ダイバーシティ&インクルージョン
2023.2.21

目をOFFにすると発見がある【OFF T!ME】KICK OFF!

丸井グループでは、「見えないサッカー」であるブラインドサッカー®️(ブラサカ)を応援しています。
今回は編集部で、ブラサカの体験プログラム「OFF T!ME」を突撃レポート!目が見えない状態で動くことの怖さや心理状況、コミュニケーションの重要性や伝え方の難しさなど、体験してみて感じた気持ちを中心にお届けします!

目次

    ブラインドサッカーの個人向けプログラム「OFF T!ME」

    日本ブラインドサッカー協会が開催する「OFF T!ME」。
    ブラインドサッカーの特性の一つである"目をOFFにしたコミュニケーション"を生かしたワークショップで、相手に"伝える"ことの難しさや、相手を"理解する"ことの楽しさを体験できるプログラムです。

    「OFF T!ME」プログラム

    ①準備体操

    準備体操は2人1組になって行います。1人はアイマスクをして見えない状態になり、もう1人は講師の動きを見て口頭で、どんな体操をするのか伝えます。
    簡単な動きから複雑な動きまで、言葉で伝えることの難しさを学びます。

    ひなこば:角度や向き、順番など、伝えることが多く、言葉で伝える難しさを感じました。私が目隠しをしている時は、先生がいつまで同じポーズをしているかわからず、不安な気持ちに。「まだやっていますか?」と何回も聞いてしまいました。

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    ② 体験ワーク1:チーム分け

    最初のワークはチーム分け。全員が目隠しした状態で、同じチームの仲間のもとに集まります。
    今回のお題は「朝ごはんはパン派?ごはん派?」。
    歩く時は、ぶつかっても安全なように手で輪をつくるポーズで動きます。ちなみにひなこばはパン派です!

    ひなこば:全員が目隠し状態で動くので、声だけが頼りなのですが、最初は手を挙げるなど、ジェスチャーで伝達しようとしてしまう人も多かったみたいです。声を出す、手をつなぐなど、伝わるコミュニケーションを皆が自発的に考えることで、集まれました。

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    ③ 体験ワーク2:正三角形に整列

    次は全員目隠し状態で手をつなぎ、皆で正三角形になるように並びます。
    誰を起点とするのか、一辺の人数は何人か、声を出し合って確認しながら立ち位置を決めていきます。

    ひなこば:しっかり伝わらないと違う人が動いてしまう。そのことに誰も気づかないと悪循環になってしまいます。誰が、どこに、何を、どのように...正確に伝えることがこんなに難しいとは思いませんでした!

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    ④ 体験ワーク3:ボールリレー

    ここからはチームに分かれて競争です。最初の競技は5人でボールを渡すリレー。
    ただし、3人はアイマスクを着用します。アイマスクを着ける人や順番は自由で、見えない人と見える人がいる中で、どのような作戦を立てるか戦略性が問われます。

    ひなこば:目が見える人をどこに配置するのか、どのような指示を出してもらうのか、ここまでの体験をもとに作戦を立てます。メンバーによって役割を決めるところが、チームでの仕事の進め方にも似ていると思いました。

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    ⑤ 体験ワーク4:ボール回し

    次は4人でのボール回し。4人の中心に目隠しをした人が入り、4人で回しているボールにタッチした回数を数えます。ここでもボールの回し方などは自由。チームの戦略性が問われます。

    ひなこば:重要なのは、1人終わったあとの作戦タイム。真ん中の人が、どこがやりにくかったか、どうしてほしいかを伝え、次の人に伝えます。皆の意見をまとめるのが得意な人、戦略を立てるのが得意な人、ブラッシュアップが得意な人など、皆の「得意」を活かしながら進めるのが楽しかったです!

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    ⑥ 体験ワーク5:ボールキック

    最後に、目隠ししたままボールを蹴り、コーンに当てるボールキックを行いました。コーンの後ろの人が声を出し、コーンの位置を知らせます。

    ひなこば:ここまでのワークの中で、お互いに声かけをする重要性がわかっていたので、「ナイス!」や「惜しい!」など積極的な声出しで自然に見えない人のフォローができました。チームの仲も深まっていたので、当たったら皆で喜び、楽しくワークできました!

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    体験を終えて

    最初に参加者の方とご挨拶した時に、なんとサッカークラブに所属しているプロの選手の方がいたので、「運動能力の差があって迷惑をかけてしまったらどうしよう...」と思っていましたが、ワークで必要なのは運動能力というよりむしろ積極的なコミュニケーションでした。

    それに気づけた時から「自分から積極的に声かけや対話をしよう!」と意識でき、チームで楽しく参加することができました。

    「見えていない人にどうワークに参加してもらうか?」「自分が見えていない時はどんな気持ちか?」ということは、見えない方に接する時だけでなく、初めてやってもらう仕事を説明する時など、いつもの仕事にも通じるものだと思いました。

    参加した方の中には、「会社の採用活動の一環として参加してもらっている」というお話もありましたが、自分の普段のコミュニケーションを見直したり、相手の癖を知るために、本当に勉強になるワークショップでした。もちろん、ブラインドサッカーで体を動かすことも、とても楽しかったです!

    ブラインドサッカー選手 まささんにインタビュー!

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    双日シェアードサービス株式会社所属 後藤 将起選手(右から2番目)

    ―ブラインドサッカーを始めたきっかけは?

    私は、目が見えなくなって6年が経ちます。それまではブラインドサッカーには縁がなく、普通のサッカーをやっていました。出身地の広島にブラインドサッカーのチームがあることをたまたま知り、体を動かしたくて始めたのがきっかけです。

    ―見えない中でのプレーは怖くないですか?

    始めた時はすごく怖かったです。今は、皆の声で、なんとなくチームメンバーがどこにいるかはわかるようになってきました。相手の声出しも聴いて、次の動きを察したりもできるので、今は始めた時のような恐怖は感じなくなりました。

    ―ブラサカは、思った以上にチームワークが必要なスポーツだと感じました。

    見えないので、一緒に練習をしないと、その人がどういうプレーをする人なのかがわかりません。「どれだけ一緒に練習をしたか」が、ほかのスポーツよりもチームの習熟度に直結していると思います。

    ―ブラインドサッカーの魅力は?

    ブラインドサッカーは、聴覚がとても重要なスポーツなので、観客の方は音を立てずに観戦します。
    私がブラインドサッカーを始めたのはコロナ禍以降だったので、試合もずっと無観客でした。
    昨年の選手権で初めて有観客のコートに立ち、そこで点を獲って、観客の方の盛り上がりを初めて感じることができました!普段の試合では点が入ったかどうかもわからないことが多いですが、そこですごくうれしさや実感が湧きました。絶対にまた試合で点を獲りたいなと思います!

     

    目の見えない人のスポーツだと思われていますが、参加してみることで、見えない中でコミュニケーションを見つめ直すことが、テレワークなど、変化しつつある働き方の中で、非常に役に立つと思いました!参加してみたい方は、ぜひOFFT!MEのサイトから日程をチェックしてみてください!

    開催予定日:2月22日(水)、3月8日(水)、24日(金)、4月4日(火)、19日(水)、5月12日(金)、24日(水)
    時間:19:00~20:30
    会場:高田馬場、神田(日程によりどちらか)

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