働き方
2024.4.15

【マルイノホンネ #7】1on1 挑戦と成長を生み出す対話方法に迫ります!

丸井グループが、「人の成長=企業の成長」という理念のもとに社員一人ひとりが創造力を全開にできる組織をめざしています。その実現に向け現在推進しているのが上司とメンバーが定期的に1対1で行う対話、「1on1」です。 社員一人ひとりが創造力を全開するための、対話とはどのようなものなのか?マネジメント職はメンバーとの対話においてどんなことに悩んでいるのか? 昨年よりスタートした1on1コーチング研修の中で聞こえてきた管理職の生の声など、丸井グループで働く社員のリアルなホンネに迫ります。

目次

    丸井グループがめざす人材活躍のため

    丸井グループでは、一人ひとりが創造力を全開に挑戦できる組織づくりをめざし、その取り組みの一環として1on1を推進しています。
    丸井グループにおける1on1の実施目的は、メンバーが持つ強みやWILLを上司と相互に理解し、チャレンジ機会へのアサインや上司からのサポート経て、一人ひとりをフロー状態へ導くことです。

    しかし、その目的に向かうための「挑戦と成長を生み出す対話」とは言っても、正直そう簡単ではないですよね。
    1on1ミーティングと銘打って時間を設けたものの、評価のフィードバックや業務進捗確認と何が違ったんだっけ?結局いつも雑談で終わってしまう...。
    そんな経験が皆さんにもあるのではないでしょうか?

    そもそも1on1ってどんなことするの?

    まずは混同しやすいほかの対話と、どんな違いがあるのか見てみましょう。

    おもに、対話の頻度やメンバー自身が主役であること、そして自発的なチャレンジを促すために上司は問いかけを中心に傾聴する点に違いがあります。
    1on1ではメンバーが話したいことをその都度設定し、上司は傾聴や問いかけなどを通し、メンバーの強みやWILL(やりたいこと)をお互いに把握しながら挑戦や成長の支援を行います。
    フィードバックや業務進捗確認と違い、1on1では傾聴や問いかけが非常に重要になります。
    しかしこの傾聴力・対話力の向上ついては、これまでマネジメント職向けにも研修など行っていなかったため、マネジメント職の中には自身の対話スキルに不安がある方もいました。
    また、丸井グループでは若手の早期管理職登用めざし、人事制度の見直しなどを行ってきたことで30代前半で管理職に昇格する社員も増えた一方で、マネジメントスキルに悩みを持つ若手管理職は少なくありませんでした。

    「自分より現職のキャリアが長いメンバーにどんなアドバイスをしたら良いんだろう」
    「年上のメンバーのキャリアプランをどう導いたらいいか悩む」
    「対話の中で今後の行動の気づきにつながるような話をしたいのに難しい」
    そのような声も聞かれました。

    参加者の9割が気づきにつながった研修がスタート!

    そこで2023年度下半期より、役員・管理職を対象に1on1コーチング研修がスタートしました。現在までに役員を含む管理職の約半数が手挙げで参加し、参加後のアンケートでは参加者の87%が研修を通してとても気づきや学びがあったと回答しました。
    研修では、相手の考えや気づきを引き出す「コーチング」のスキルを学びつつ、徹底的な実践訓練を行います。

    <カリキュラム>

    1on1とは? ありがちなメンバーとのかかわり方と1on1の対話法を動画で見比べて、その二つの違いを挙げることで、ほかの対話機会と1on1の違いを理解します。あわせてその目的を整理します。
    1on1の基本スタンス

    上司としてどのようなスタンスで1on1に臨むべきかを学びます。上司自身の物事の見方・とらえ方が、相手のメンバーに対するかかわり方に無意識に影響を及ぼし、結果的にメンバーの意識や行動に大きなインパクトを与えることを理解します。

    コーチングの基本スキル「傾聴」と「問いかけ」 研修参加者同士でペアを組み、話し手・聞き手を入れ替わりながら実践的にコーチングを学びます。姿勢や言葉選び、相槌やリアクションなど、具体的に意識するポイントを学んだうえで、自身の行動につなげます。

    ここで、研修に参加した社員の声を聞いてみましょう。

    これまでも見よう見まねで1on1を実施していましたが、私自身の先入観をもってメンバーと対話していたことや、1on1の最後は「こうしたら良いのでは」という、指示に近いアドバイスをしてしまっていたことに気づきました。

    ペアワークでは「実際うまくやれるかなぁ...」という不安な部分もさらけ出しながら話すことができたように感じ、参加者同士で励まされました。聞き手・話し手の両方を体験し、問いかける人の態度でメンバーの気持ちも変わると気づきました。

    メンバーに対して自分自身が画一的な視点で接してしまっていることに気づき、講義と実践のワークの行き来を通して具体的な方法論として自分の中に落とすことができました。1on1をやるときの自信につながりました。

    このように、実践的な研修を通して対話をする時の自身の思考の癖や特性を理解し、またメンバー側の立場を経験することでそのような問いが対話にどんな効果を生み出すか体感することができたと参加者から多くの声が聞かれました。

    「月刊 まるいの1on1」を創刊

    人事部の1on1推進担当では、全社員向けに1on1のスキルブックを作成し社内イントラにて共有。1on1の必要性やその効果を理解し、活発な1on1の実施を推進しています。

    ※ スキルブックを作成し社内で共有

    あわせて「月刊 まるいの1on1」を創刊し、漫画やイラストを活用した読みやすくわかりやすい内容で継続的に社内に情報発信を行っています。実はこのイラストや漫画、絵を描くことが好きで得意な人事部社員が制作しているんです!1on1推進に対する想いの強さや、自分の好きや強みを活かして仕事をしたいというWILLを感じますね。

    ※ 実際の記事から一部抜粋

    担当者に突撃!!

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    丸井グループ 人事部 人材開発課 1on1推進担当 福田 藍さん

    - 丸井グループではこれまでも1on1ミーティングを実施している部署も多くあったと思うのですが、あらためてコーチング研修を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

    丸井グループの役員・管理職を対象に実施した『1on1説明会』における応募者アンケートでは、約7割の方から「職場で1on1を実施している」とご回答いただきました。
    一方で、上司の方からは「すべて自己流で実施しているのでこれでいいのかわからない」という不安、そしてメンバーの方からは「1on1を上司とやっているがなぜやっているのかの理由・目的がわからない、いつも雑談で終わる」という疑問が生まれている実態もありました。
    丸井グループでは挑戦と能力が釣り合って創造力全開の"フロー"状態にある社員の構成を、現状の42%から2030年までに60%へ高めていくことをめざしています。そのために、1on1という対話の機会が極めて有効だと考えており、上司・メンバーともに1on1を実施しやすく・受けたくなる体制をづくりのためコーチング研修をスタートしました。

    - 今後に向けた課題や取り組みについて教えてください。

    1on1は所属長の方の手挙げを通し、各職場で実施するかを決定いただいています。まだまだ1on1の取り組みはスタートしたばかりですので、まずは1on1を定期的に実施する職場を増やしていきたいと思っています。
    一部の方からは「1on1って、結局会社のためにやってほしいってこと?」という声もいただいていますが、決してそれだけではありません。
    私自身の経験談にはなりますが、過去に担当していた新規事業が残念ながら撤退してしまうなどのショッキングが出来事がいくつも続いた結果、仕事や会社に気持ちが後ろ向きになってしまっていた時期が3年間あります。
    現在はさまざまな方にたくさんの支援・応援をいただいたことで、フロー状態だと自覚するくらい前向きになれています。
    その中でも、最後に背中を押してくれたのは上司との1on1だったと感じており、自分のキャリアや人生を大きく変えてくれた大切な時間でした。
    私は1on1が持っている力をとても信じています。
    1on1の実施について何かお役に立てることがあれば、どんな些細なことでもお手伝いしたいなと思っています。