共創
2021.12.6

アイカサ・東大OEGsとワークショップを共催

9月25日(土)より6週間にわたり、丸井グループの共創企業である傘のシェアリングサービス「アイカサ」を運営している株式会社Nature Innovation Groupと、東京大学 農学部・大学院農学生命科学研究科「One Earth Guardians育成プログラム(OEGs)」、東京大学 生産技術研究所価値創造デザイン推進基盤、丸井グループによるワークショップ「100年後の地球を見すえて考えるアイカサへの事業提案 ~わたしたちがカサを通して見上げる未来~」を開催しました。

目次

    ワークショップは、9名の学生が3チームにわかれ、それぞれにアイカサを運営する株式会社Nature Innovation Groupの社員が参加するチーム形式でアイデアを出し合い、最終プレゼンテーションに向けて事業提案を行いました。「ライフスタイルから始めるサーキュラー・バイオエコノミーへの転換」というテーマについて、チームで考えたアイデアのブラッシュアップを、東京大学の五十嵐 圭日子教授をはじめとしたOEGsメンバーや、丸井グループの社員がサポートしました。

    Day1では、アイカサ・丸井グループの事業概要やアセットの共有、サーキュラー・バイオエコノミーについてのインプットを、Day2では東京大学の山中 俊治教授の講演とペニントン・マイルス教授のワークショップを、Day3では、中間発表とフィードバックを行いました。ワークショップはオンラインとリアルで開催しました。

    最終プレゼンテーション

    11月6日(土)のDay4では、各チームからの最終プレゼンテーションに対し、下記4つの視点で評価をし、講評と表彰を行いました。

    • 1.アイカサが5年後に提供する事業であるという前提をおさえた提案となっているか。
    • 2. ユーザー視点(利用する当事者視点)に立ってライフスタイルに新たな価値を提供できているか。
    • 3. 100年後の地球に資する、サーキュラー・バイオエコノミーの実現につながる課題解決となる道筋を示せているか。
    • 4.上記3つの観点とは別に、何かしら光るものを感じたか。

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    各チーム、思いおもいのプレゼン後、参加者による投票と、東京大学 山中教授、五十嵐教授、アイカサ 丸川社長、丸井グループ 執行役員 津田さんからの講評が行われました。最優秀賞には「アイカサを公共物に」というアイデアをプレゼンしたCチームが選ばれました。

    Cチーム:アイカサを「公共物」に

    目立つアイカサスポットでアイカサを「公共物」にするとともに、アイカサ製品のリサイクル率を高めることで、アイカサを軸にしたサーキュラー・バイオエコノミーに社会全体を巻き込むアイデアを提案。

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    参加した学生の皆さんの声

    • ・OEGsでは100年後の地球について考えることが多いので、5年後に実現可能な事業を提案するのが難しかった。アイカサについては知らなかったが、考えを深めることで共感できたので、今後は利用したい。
    • ・アイデアが先行し、拡がりすぎたことで、絞って考えるのが難しかったが、ディスカッションが楽しかった!これからもイノベーションしていきたい。
    • ・それぞれの専門分野を持つ学生が集まったことで、助け合って考えることができた。これで終わりではなく、ぜひまた一緒にやりたい。

    参加したアイカサの皆さんの声

    • ・自分たちでは気づけない視点を、学生や東大の先生方にもらうことができ、貴重な経験になった。
    • ・どのアイデアにも光るものがあったと感じる。今後、アイカサの事業にも生かしていきたい。

    最優秀賞チームへインタビュー

    今回最優秀賞を受賞された、Cチームの橋本さん、鳥井さん、小岩さん(東大OEGs受講生)、加藤さん(アイカサ マネージャー 広報)に、参加したきっかけやこれからの企業に望むことなどについてお話をうかがいました。

    橋本さん:農学⽣命科学研究科 応⽤⽣命化学専攻 博士課程1年(OEGs 2期⽣)
    鳥井さん:農学⽣命科学研究科 応⽤⽣命⼯学専攻 修士課程1年(OEGs 2期⽣)
    小岩さん:農学部 ⽔圏⽣物科学専修3年(OEGs 4期⽣)

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    (左から)橋本さん、鳥井さん、小岩さん、加藤さん

    ――今回参加したきっかけは何でしたか?

    橋本さん:傘ってとても身近なプロダクトですよね。普段から使うものについて、あらためて深く考える機会は貴重だと思い、参加しました。

    鳥井さん:このワークショップで一番惹かれたのは、テーマが「サーキュラー・バイオエコノミー」だったことです。OEGsでも頻繁に聞くワードでしたが、傘というプロダクトに落とし込もうと考えることで、自分なりに理解するきっかけにしたいと思いました。

    小岩さん:私は今年度から活動を始めたのですが、これまでの活動はオンラインだったため、今回リアルでも参加できると聞き、ぜひ参加してみたいと思いました!

    ――発表内容の中で、特に良いアイデアだと感じるポイントはありますか?

    橋本さん:「公共性」というワードと、「循環のハブになる」という考え方です。今回は傘についてのワークショップでしたが、それだけで終わらずに、社会全体の循環に拡げることができる可能性の大きさが一押しポイントです。

    鳥井さん:コンセプトを考えるのに苦労しました。「公共性」というワードは「より多くの人に使ってもらうには」と考えた際に出てきたものです。公衆電話のように、「当たり前にあって、誰もが気軽に使えるもの」になってほしいと思ったんです。

    加藤さん:アイカサも、かねてから「社会のインフラになる」という目標を掲げていて、もっと公共性のあるサービスになりたいという想いが強くあります。

    ――いつもは100年後について考えることが多いと聞きましたが、5年後の未来について考えるのは難しかったですか?

    橋本さん:そもそも事業を興したこともなかったので、5年という時間で、どういう事業ができるのかが具体的にイメージしづらく、苦労しました。

    加藤さん:Day3では、「傘の下をパーソナルスペースにする」というアイデアだったのですが、Day4でまったく違う提案をしていて驚きました。

    鳥井さん:傘に覆いをつける「移動個室」というアイデアですよね。傘の中でテレワークができるということを考えてみました。傘で微生物を飼うアイデアも出たのですが、ユーザー視点が足りないというフィードバックもあったので、最終発表ではコンセプトを大きく打ち出したアイデアにしました。

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    (左から)津田さん、丸川社長、小岩さん、鳥井さん、橋本さん、加藤さん、五十嵐教授

    ――サステナビリティに取り組む企業や、丸井グループにこれから期待することはありますか?

    鳥井さん:地球規模の大きな課題に取り組まなければならない時代で、めざす未来は少しずつ違っていたとしても「サステナビリティ×ビジネス」の発想でうまく進められると思います。社会全体で変わっていくために、企業にはぜひ分野や世代をまたいで輪を拡げていってほしいです。

    橋本さん:違うノウハウを持つ企業が連携して取り組むことが強みになる時代ですよね。温暖化対策は30年前から取り組んでいますが、あまり成果が出ていないように感じます。もし気候変動を止めきれなかったとして、どう共存していくかについて考えることも重要視してほしいです。

    小岩さん:ビジネスとサステナビリティって相反する存在だと思います。でも、ぜひ企業側から「大量生産・大量消費」ではなく、消費者にうれしい価値観を提案していただければ、大きく世の中を変えていける力になるのではないでしょうか。

    加藤さん:信頼性の高い丸井グループが、社会課題に取り組むスタートアップを支援しようとしてくださっていることは、とても頼もしいなと感じます。アイカサも、スタートアップだからこそできることに取り組みつつ、これからも丸井グループと一緒に社会にインパクトを与えられたらと思います。

     

    • One Earth Guardians育成プログラム -東京大学 農学部・大学院農学生命科学研究科
    • ただ一つの地球で、ヒトと生物が共存し続けられる未来をつなぐ"地球医"を、産・官・学で連携して育てます。
    • https://www.one-earth-g.a.u-tokyo.ac.jp/
    • 傘のシェアリングサービス アイカサ
    • アイカサについて、詳しくはこちらをご覧ください。
    • https://www.i-kasa.com/
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