丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。 連載「カラフルキャリア~これが私の原動力~」では、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解いていきます。今回は、昨年度末に初開催した「『好き』を応援コンクール」で優秀賞に選ばれた新保 拓門さんにお話をうかがいました。
丸井グループのシステム部門を担当するエムアンドシーシステムのR&Dセンターに所属し、生成AIやXR・NFTなどの新たなデジタル技術を丸井グループでどう活用していくか、ということを企画し、導入を推進しています。また、お客さまの「好き」を応援するカードイニシアティブで、人気カードゲームとエポスカードの協業を企画し、実現に向け関連各所との交渉を行っています。
学生のころは、スーパーでのアルバイトに打ち込んでいました。特にレジ係が好きで、「レジ係でも丁寧に接客をすればお客さまは喜んでくれるんじゃないか」と考え、それを心がけたところお客さまから「あなたのレジに並びたくなる」など声をかけていただいたり、差し入れとしてお惣菜をいただいたりするようになりました(笑)。
レジ係の仕事は、一見すると個性とは関係のないように思えても、「いつも声をかけてくれる」「サッと袋詰めをしてくれる」など人より少し丁寧な接客を心がけるだけで「店員の一人」ではなく「新保さん」として認識してもらえることがうれしかったですね。そんな経験の積み重ねの中で、「人と違うことをやってみよう」という想いが強くなったかもしれません。個性が出しにくい環境で、いかに個性を出すかを意識するようになりました。
学生時代にアルバイトしていたスーパーにて
アルバイトを通じて「自身の個性」を強く意識するようになっていたちょうどそのころに、各社のインターンを経験していく中で、当時「多様性」や「インクルーシブ」に対する取り組みに注力していた丸井グループに出会い、興味を持ったのがきっかけです。ここなら「個」を尊重する風土があるのではないかと感じ、入社を決めました。
入社してしばらく経ち仕事にも会社にも少し慣れてきた時に、新しいことにチャレンジする、好きなことや、やりたいことを突き詰めていくには、テクノロジーの力が必要不可欠になると思ったんです。あと単純に、デジタルに詳しい人ってかっこいいなというのもあります(笑)。
自分がやりたいと思ったことを言語化して、周りに理解してもらう、共感して協力してもらうことは想像していたよりずっと難しく、最初の2~3年は特に大変でした。
最初の1年はインプットの連続で新しい知識を得ることへの楽しみもありましたが、同時にデジタルの知識があるだけでは、できることって限られているとも感じました。ほかの人と違った使い方や、世の中ではまだ見出せていないところに目を向けることが必要で、そこに壁があったと思います。
自分の考えたことや提案が、誰かの意思決定につながっていることにやりがいを感じます。例えば、デジタル技術の活用提案について提案先の部署から「やってみよう」という判断をいただいた時や、経営陣に対しアウトプットしたことが中期経営会議(全社員の対話の場)の議題になったりなど、自分なりに考えたことがその人の次のアクションにつながった瞬間に、「やって良かった!」と強く感じます。
昨年度、社内の次世代経営者育成プログラム(CMA)に参加していて、プログラムの一環で丸井グループのコアコンピタンスを考えるという課題がありました。
参加メンバー同士で個人発表の内容を話している時に、私が子どものころからずっと大好きな某カードゲームとの協業プランを「こんなことやりたいんだよねー」と話したところ、「それ良いじゃん!コンクール出そうよ」盛り上がって、急遽エントリーを決めました。しかし、翌日の朝がエントリーの締め切りだったため、深夜から爆速でエントリー用の資料をつくって事務局へ提出しました。ちょっとしたフロー状態だったかもしれません。
「好き」を応援コンクールに出場したメンバー
2019年にエムアンドシーシステムに異動してからは、ほかの人がまだ見出せていないデジタルの新しい使い道について考え続ける5年間です。そのほとんどが、ただひたすら「考える」「考える」「考える」のくり返しで一定のところまでは何も生まれてこないんですが、それでも考え続けていくとある時ポンッとアイデアが出てきて、そこからは「ずっと資料作成していたい!」と思うくらいイメージがどんどん湧き上がってくるような感覚になります。私の場合、新しいことを考えている時にフローになりやすい気がします。
フロー体験に通じるものですが、「答えのない問いに向き合う力」だと思います。新たなデジタル技術には成功事例がほとんどない場合が多く、こうすればうまくいくという答えを誰も持ってません。たまたま兼任してきた調査部やフィンテック調査担当も、「答えのない問い」に向き合うシーンが多く、そこでさまざまな方の意思決定に携わってきたことでその力を磨き上げてきたと感じています。そんな経験が、社外のデジタル研究発表会で最優秀活動賞をいただいたり、好きを応援するコンクールでデジタル活用の部分について評価をいただき最優秀賞をいただいたりという結果につながったのではないかと思っております。
人と同じことをしたくない、自分の個性にこだわりたい、というところが原動力だと思います。些細なことですが、異動当時ほとんどの男性社員がワイシャツを着用していたところをTシャツで出勤したり、思いっきり黒いネイルをして襟足を金髪にして経営陣と対話したり、ほかの人がやらなそうなことに手を出すのが好きなんです。そのこだわりが自分の提案にも生きているのかなと思います。
丸井グループから市場創造型の破壊的イノベーションを生み出したいです(笑)。丸井グループは以前から、お客さま座談会などを積極的に行っていて、既存のお客さまの声を聞くことについては比較的得意な印象を持っています。しかし、中長期的な成長につながるイノベーションを生み出すためには、丸井グループの経済圏の外側にいて、自分向けのプロダクトが存在せず見過ごされてしまっている人たちの「無消費」になっている部分に気づくことが必要です。そのためには、調査担当として丸井グループの外に目を向け続けてきた自分の経験を活かすことができると思うので、今後もぜひ取り組んでいきたいですね。
先ほども話題にでた某カードゲームに、子どものころから変わらず夢中になっています!今でもそのカードゲームの公認大会に参加したりしていますが、結果が出せていないので今年こそは優勝したいと思います!
今でもカードバトルに参加しています