丸井グループでは「お客さまのお役に立つために進化し続ける」「人の成長=企業の成長」を経営理念に掲げ、人的資本経営に取り組んでいます。手挙げ制による自主的な学びの場への参加やグループ間職種変更など、多くの社員がさまざまな経験をそれぞれのキャリアに役立てて活躍しています。 連載「カラフルキャリア~これが私の原動力~」では、多様なキャリアで活躍する社員に注目し、その原動力をひも解いていきます。今回は、「若手の挑戦」をテーマに、サステナビリティ部で活躍する佐藤みのりさんにお話を聞いてきました。
─佐藤さんの現在のお仕事について教えてください
サステナビリティ部は、長期的な視点で丸井グループのサステナビリティ戦略を考える部署で、現在9名のメンバーが所属しています。
仕事内容は多岐に渡りますが、私の担当でいうと、社会課題や環境問題に関わるあらゆる側面において世界的に高い基準を持って行動している企業に与えられる「B Corp認証」の取得に向けて、準備やリサーチを進めています。
─2023年入社とのことですが、入社の決め手は何ですか?
ビジネスを通じて社会に対してポジティブな影響を与えていくという姿勢に共感できたからです。私は、「企業のめざす姿に共感できるかどうか」を軸に就職活動をしていました。
アイルランドに語学留学していた、学生時代の話です。日本人の友人と街を歩いている時に、知らない人から突然、石を投げられたことがありました。その時は意味がわからず困惑したのですが、のちに「人種差別を受けたんだ」と気がつきました。この原体験から、「マイノリティを排除する、ないものとする」という社会構造に課題を感じ、自ら勉強をしていく中で「D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)」という考え方に出会いました。
丸井グループは、すべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会の実現をミッションに置き、誰も取り残さないという考えのもと、D&Iの推進にいち早く取り組んでいました。他企業でも、「D&I」を謳っていたところはありましたが、「ビジネス」と「ESG」は別で語られているのがほとんど。私は、丸井グループがビジネスを通じて社会課題解決を実現しようとしている点におもしろさを感じました。
また、最終的な決め手は選考中に関わってくれた社員の人柄が大きいです。丸井グループの選考は、「会社と就活生」という構図ではなく、私をいち個人として見てくれる感覚がありました。「佐藤さんの話が聞きたい」という傾聴のスタンスが根付いていて、これは、採用担当の方だけでなく、短期インターンで接した別の部署の方も含めて全員そうでした。こういうところでも、個人として尊重された働き方をイメージでき、迷いなく入社を決めることができました。
─実際に働いてみて、ギャップはありましたか?
インターンなどを通じて丸井グループで働くイメージがついていたので、入社後のギャップはなかったです。
想像以上に良いなと思うのは、「手挙げの文化」でたくさんの出会いがあること。丸井グループは、「グループ公認プロジェクト」や「グループ公認イニシアティブ*」など、自らの意志で手挙げをしてチャレンジをする機会がたくさんあります。グループ会社の垣根を越えて、年齢や役職にとらわれずフラットな関係で、さまざまな経験や価値観を持つ方々と取り組みを進めることができるため、現業では得られない学びや気づきも多いです。
*イニシアティブ...新規事業創出に向け、手挙げした社員が社内副業的に活動する。「サウナ」「動物支援」をはじめ13のテーマが存在(2025年6月時点)。
─現在参加している取り組みの中で「手挙げ」がきっかけなものを教えてください!
大きく二つあります。一つは、イニシアティブの活動です。私は、動物園・水族館へ食事が贈れる応援プラットフォーム「Hello!OHANA」との共創で、新たな応援の形の構築をめざすイニシアティブに参加しています。これは、昨年度にチャレンジした「『好き』を応援するコンクール」をきっかけに生まれたイニシアティブで、想いを持って活動しています。
もう一つは「社員株主プロジェクト」です。丸井グループでは、社員の経営への参画意識を高めるため、譲渡制限付株式付与制度を導入しています。この制度導入にあわせ、社員の株主意識の醸成をめざし「社員株主プロジェクト」がスタートし、私は現在3期生として活動中です。今期は、社員だけでなく個人株主さまとの取り組みを企画しているところで、新たな試みに難しさを感じつつもワクワクしています。
また、質問の「手挙げ」とは少し違うかもしれませんが、現業のサステナビリティ部も半期に一度の「自己申告制度*」で希望を出して異動をしました。
*自己申告制度...年に2回、異動の希望や将来どのようなキャリアを進んでいきたいかを会社に申告する制度。
社員株主プロジェクト 3期生の皆さん
─現在のキャリアについても自らの意思で挑戦したんですね!サステナビリティ部は入社前から希望していた部署なのでしょうか?
もともと興味のある部署の一つでした。入社してからの半年間は仮配属という形で、マルイの店舗で接客のお仕事をしていたのですが、そこで私のメンターとして付いてくださった先輩が、サステナビリティ部で働く先輩とつなげてくださり、お話を聞く機会がありました。そこで、実際のお仕事内容や働き方などを聞いて挑戦したいと思ったのが、異動希望を出したきっかけです。丸井グループは「職種変更」によって人事異動が盛んなので、さまざまな部署に挑戦しやすくて良いなと個人的には思っています。
─さまざまな取り組みチャレンジしている佐藤さんですが、一番やりがいを感じたものは何ですか?
「好きを応援するコンクール」への参加です。このコンクールは、丸井グループ社員が自身の「好き」を活かしてお客さまの「好き」を応援することでインパクトと利益の両立を実現することを目的に、2023年度から始まりました。私は、「Hello!OHANA~大好きな動物を支援~」チームとして参加をし、優秀賞をいただくことができました。
「Hello!OHANA~大好きな動物を支援~」チームは、サステナビリティ部で長期インターンをしている学生さんの「動物園・水族館が大好き」という想いから生まれました。そこから、株式会社OHANAさまの「Hello!OHANA」の取り組みを知り、これに丸井グループが共創することで、新たな応援の形を一緒につくっていけるのではないかという発想のもと、サステナビリティ部のメンバーでチームを組んで「『好き』を応援するコンクール」に出場することにしました。私は、0→1を生むよりも、良いアイデアを実装に向けて進めて行くことの方が好きなので、インターン生のすてきなアイデアを決勝大会までにブラッシュアップしていくのにやりがいを感じました。「フロー状態ってこんな感じなのかな」と思うほど、熱中して取り組んでいたと思います。
第2回「『好き』を応援するコンクール」で優秀賞を受賞
─チャレンジし続ける佐藤さんのモチベーションや原動力って何ですか?
「やるかやらないかで迷ったら、やる」です。何事も前向きにチャレンジするようにしています。私は、大学でローラーホッケー部に所属していました。部活の勧誘を受けた当時は、未知なるスポーツに興味を持ちつつ、本格的な部活動で練習もハードだと聞いていたので不安な気持ちがありました。でも、思い切って入部をしてみたら、すっかり魅了されてしまい、部活に打ち込む大学生活を過ごしました。私はこれまでの経験を振り返ると、部活においても、留学においても、「やらなきゃ良かった」と思ったことがなく、「やってみたからこそ得られた、気づけた」と、ポジティブな気持ちになることが多いんです。挑戦したらきっと何か得られると思うからこそ、「やらない後悔」はイヤだなと思います。
さらに、こうした自分の前向きな行動が、ほかの誰かの行動のきっかけになったらうれしいし、もっと頑張ろうと思える...!誰かの役に立てたり、良い影響を与えられたことに喜びを感じるタイプなので、そういう意味でも「やるかやらないかで迷ったら、やる」を今後も大事にしたいです。
学生時代に打ち込んだローラーホッケー部
─すてきな考え方ですね。最後に、佐藤さんが今後チャレンジしたいことを教えてください!
一番はイニシアティブの成功、OHANAさまとの共創によって新たな応援の形を構築させることです。「好き」を入口にして、無理のない形で、結果的に社会課題の解決を支援できたら良いなと思っています。私自身、自分の行動が起点となって、誰かにポジティブな影響を与えられたらすてきだなと思うので、このイニシアティブを通じてそういう好循環をつくっていきたいです。
キャリアの視点でいうと、いつかチャレンジしてみたいのは、丸井グループの利益を支えているフィンテック事業です。現在のサステナビリティ部では、経営に近い場所で丸井グループ全体の戦略を考える仕事をさせてもらっていますが、ここで自分の役割をまっとうし、経験を積んだうえで、足元利益を生み出すエポスカードの仕事に挑戦したいと考えています。