サステナブル
2024.4.27

渋谷マルイ開店準備室#3「資材調達もサステナブルにとことんこだわる」

2026年に国内初のサステブルな木造商業施設として生まれ変わる渋谷マルイ。 リニューアルオープンへ向けて動き出した渋谷マルイの様子をお伝えする連載「渋谷マルイ開店準備室」では、建設中の建物の様子や、白熱する会議室、オープンに向けて奔走する社員と現場の今をご紹介しています。

目次

    サステナブルな建築は木材の調達方法にもこだわる

    渋谷マルイは丸井グループのめざすインパクトを象徴する施設として、サステナブルにとことんこだわった店づくりを進めています。建築に使用する木材においても、その調達方法にまでこだわり、環境にやさしい方法を選択しています。木材の運搬にかかるCO²を削減し、地産地消をめざして東京都の多摩地区で生産された木材を使用予定です。
    今回は、多摩産材の使用を決めた目的と、そこにいたるまでの社員の奮闘記をご紹介します。

    東京の木、多摩産材

    2023年夏、渋谷プロジェクトは使用する木材の選定に関して、困難な決断を迫られていました。当初は、環境負荷を考え輸送時のCO₂削減につながる国産木材を使用予定でしたが、コロナ禍や国際的な戦争の影響により状況が一変しました。
    国産木材の価格が大きく値上がりし、当初の計画から大きく予算が膨れ上がっていたのです。

    「おいおい待ってくれよ...どうすりゃいいんだよ」

    建築に関する計画の立案を担当する小早川は、国産材使用を前提としたCO₂削減と同時に建築にかかる費用を予算内に収める方法を考え続けるも、解決策は見つからず悩み続けていました。
    そんなある日、多摩産材の木材を利用することで東京都から補助金が出るとの話を聞き、藁にもすがる思いで東京都の担当者に話を聞きに行くことに。
    そこで東京都の担当者から、民間企業へ向け木材利用の促進を図るため東京の木である「多摩産材」の補助金の募集要件を伺いました。

    「これならいけるかもしれない...」

    小早川は「多摩産材」に、サステナブルにとことんこだわる渋谷マルイのコンセプトと予算、どちらも妥協できないこの2つの要素を満たす活路を見つけました。
    渋谷プロジェクトは東京都が補助金を適用するために設けた要件に合致し、審査に通れば「中・大規模建築物の木造木質化支援事業費補助金工事支援」で初の補助金を取得した物件となる可能性があるとわかりました。

    会社のビジョンを体現し環境負荷軽減と予算計画の両立をあきらめない渋谷プロジェクトメンバー全員の想いと民間企業に木材利用の促進を進めたい東京都の思いが一致した瞬間でした。
    その後、補助金の申請手付きを進め、東京都の事務局に対して丸井グループがめざすビジョンとともに渋谷プロジェクトをプレゼンし、昨年の秋には正式に補助金を頂くことが決定しました。

     緑豊かな多摩へ視察

    また、プロダクトメンバーは実施に使用する木を確かめるべく、多摩地区にある生産現場に視察に向かいました。

    豊かな多摩へ視察に行ってきました

    広大な自然の中の木材加工場の様子

    緑豊かな多摩地区で育った木は、適切なサイクルで伐採され地元の木材店で加工されます。木は樹齢30~40年を過ぎるとCO²の吸収量が下がってしまうため、森を健全に保つためにも適切なタイミングで伐採することで効果的なCO²削減につながります。また、伐採した木材を活用していくことで循環サイクルを生み出し、さらにサステナブルな取り組みを加速させていきます。

    加工された多摩産材

    単純に「木を切る=環境に良くない」と思っている方も多くいるかもしれませんが、木造建築はとても意義のある取り組みの一つだと考えています。
    視察や学びを通してサステナビリティに関する正しい知識を得て、今後の店づくりにも活かしていきたいと思います。

    地元の材木店協力のもと資材の説明を受ける一同

    今回は、建築に使用する資材の視点から渋谷マルイの店づくりの様子をリポートしました。
    渋谷のど真ん中に、同じく東京の木を使った国内初の商業施設をつくるという、夢のようなこのプロジェクト。サステナブルにとことんこだわった店づくりの熱い温度を体感しました!

    渋谷とマルイ  その1
    1958年(昭和33年)渋谷店が開店。現在の場所ではなく、駅から少し離れた場所に店を構えました。看板も今とは異なり、丸井の「井」を○で囲んだデザイン。店名も現在の「マルイ」ではなく「丸井」となっています。