サステナブル
2024.6.4

マルイが電気をつくる?!川越にある自社発電所に潜入

都内から車に揺られること1時間。私たち取材班は埼玉県川越市ののどかな場所にやってきました。周囲を見渡せば田畑が広がっています。なぜ私たちがここへ来たかというと、エコビジネスを担当する社員が丸井グループの保有する自社発電所へ巡回に行くということで同行させてもらいました!丸井グループの新たなチャレンジをレポートします。

目次

    「マルイが電気をつくる?!」

    今回訪れたのは、4月に運転開始したばかりのマルイファシリティーズ川越第1発電所です。整地し手入れされた土地に、太陽光パネルがずらりと整列しています。

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    広さは約8,500㎡。再エネの自社発電事業における協業パートナー、株式会社ウィンフィールドジャパンさまのサポートのもと、この発電所では年間約180万kWhの再生可能エネルギーがつくられます。
    発電効率の低下を防ぎ、発電システムを安全に保持するため雑草が定期的に除去され、とてもきれいに整備がされている印象を受けました。

    ドローンで撮影したマルイファシリティーズ川越第1発電所の様子をご覧ください。

    再生可能エネルギー100%の利用をめざす取り組み

    丸井グループは、「すべての人が『しあわせ』を感じられるインクルーシブな社会を共に創る」というミッションのもと、インパクト(社会課題解決)と利益の両立をめざしています。
    そこで掲げたインパクトのテーマ「将来世代の未来を共に創る」の一つとして、脱炭素社会の実現を掲げ、CO²の削減 100万t以上に向けた取り組みを進めています。

    丸井グループのCO²削減に向けた取り組みは大きく2つあります。

    ①    再生可能エネルギーの利用促進
    ・マルイ、モディをはじめとする丸井グループが利用する施設の再エネ化
     ・一般家庭への再エネ普及促進
    ②    資源リサイクル率向上と資源の有効活用
    ・エコファクトリーやエコボを活用した資源の分別回収
    ・廃ペットボトルを原材料とした足にも地球にもやさしい靴のブランド「Kesou」

    今回は一つ目の再生可能エネルギーの利用と、RE100への参加についてご紹介します。

    私たちがめざすRE100とは?

    RE100は、企業が100%の再生可能エネルギーを導入することをめざす国際的なイニシアティブです。気候変動の影響を軽減し、持続可能な未来を築くための重要なステップとして、世の中の関心や取り組みも広がってきました。
    RE100に参加する企業は、自社のエネルギー需要を再生可能エネルギー源からのみまかなうことを宣言し、その実現に向けた具体的な取り組みを行っています。
    2024年現在、RE100に参加している企業の数は国内外を合わせて400社を超え、国内でも参加企業は80社以上あり、丸井グループは2018年から参加しています。

    丸井グループでは全国のマルイ・モディなどの商業施設をはじめ、ロジスティクス機能を支える物流センター、そして中野にある丸井グループ本社などトータルで年間約1億5千万kWhの電力が使われています。
    1億5千万kWhと言われても正直ピンとこないですよね?これは一般的な家庭で使用する電力に置き換えると3.5万世帯に相当する電気量となります。この電力量を2030年までに100%再生可能エネルギーで調達することをめざしています。


    そこで、丸井グループでは安定的・持続的に再エネ電力を確保するため、再エネ電力会社との長期契約に加えて2022年から太陽光発電所の自社保有を進めています。

    再エネ発電事業という丸井グループの新たなチャレンジをサポートし、共にエネルギー問題という大きな社会課題に取り組むウィンフィールドジャパンさまにお話をうかがいました。

    協業パートナーに聞く「再エネで描く未来」

    ■株式会社ウィンフィールドジャパン
    エネルギー事業部部長 能勢 広基さま
    エネルギー事業部主任 蒲生 達也さま
    設計管理部部長 会田 純平さま

    ―――電力会社ではない企業が、太陽光発電所を自社で保有する事例は増えてきているのでしょうか?

    はい、元々はFIT(固定価格買取制度)*¹電源として投資的観点から保有する企業はいましたが、近年は再エネ需要が増し、電力会社でなくとも屋根上の太陽光やオフサイトPPA*²などで自社保有に積極的に乗り出している企業が増えています。
    私の感覚だと、2022年ごろから環境的な側面での投資が活発化した印象があるのですが、自社ビルや施設で消費する電力を賄う事例が増えていて、再エネ電源を探している企業が多いですね。それでも、国全体で求められている再エネ導入のポテンシャルを考えると、まだまだ始まったばかりです。需要も供給もこれからもっと活発になると思います。

    *¹再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを 国が約束する制度

    *²発電事業者が、企業など需要家の敷地内に太陽光発電設備を発電事業者の費用により設置し、所有・維持管理をしたうえで、発電設備から発電された電気を需要家に供給する仕組み

    ―――自社保有することで、具体的にはどんなメリットがあるのでしょうか?

    まずは電力の安定化が挙げられると思います。大手企業の消費電力であれば、電気代の市場価格が1円変動した場合、億単位で影響する企業もあります。
    現在の情勢や将来的なインフレを考慮すると、電力の安定化は経営の安定化といっても過言ではありません。発電所の建設コストが増えている中、自社保有による電力の大幅なコスト削減は厳しいですが、発電所を自社保有することで20~30年間は電力の安定化につながります。
    また、責任ある企業による環境経営の取り組みとして、持続可能な社会への貢献も挙げられます。経営活動の使用電力を100%再生可能エネルギーにする活動も増えており、自社発電所を通じて自社グループやサプライヤーの施設・工場などに対して再エネ電気を供給をし、社会的責任(CSR)を果たしている企業もいらっしゃいます。

    ―――その土地に住む地域の方からはどのような反応がありますか?

    周囲の方々のお家には必ず訪問し発電所開発による影響や、今後どのような維持管理をしていくのかを明確にお伝えすることで、ご安心いただくようにしています。
    太陽光発電所は、ニュースなどで賛否両論ありますが、近隣住民のご意見として、「未管理状態の土地を放置することで倒木や不法投棄、虫・獣害などが増えるので、有効活用して整備する方がありがたい」との反応をいただきます。
    加えて、地域貢献として何かしらのお困りごとを解決することをしています。過去の事例として、その地域のスクールゾーンにLED電灯を設置したり、小学校にピアノを寄付したり、ゴミステーションを増やしたり、公民館の畳を張り替えたりしています。
    ちなみに、マルイファシリティーズさまと取り組んだ案件は、近隣の農業組合さまの農作業器具を新品にして寄与させていただきました。
    発電所開発は地域のご協力があってこそ成立する事業だと思っていますので、小さなことではありますが、ずっと続けている取り組みです。

    ―――エネルギーの自給自足が話題になってきていますが、今後再エネ市場にはどのような可能性を感じていますか?

    市場としては、2050年カーボンニュートラルの方針の通り、成長産業として大きな可能性を感じています。まだ一部の公共施設や大手企業さましか再エネ導入ができていないので、大手企業から中小企業や個人の方にも再エネ導入を求めていく流れになると思います。
    太陽光発電もペロブスカイトや蓄電池活用など技術が発展していますし、風力発電やバイオマス発電など多種多様なエネルギーが年々増えています。一方で、まだまだ再エネ電源が足りておりません。
    開発をするための基準も厳格になっておりますので、これまで以上に地域の合意形成をしっかり行い、安心安全な電源開発が必要となります。

    20240603_00.png(写真左から)ウィンフィールドジャパン 設計管理部 部長 会田 純平さま
    マルイファシリティーズ 企画本部 エコビジネス開発部 諏訪 朱音さん
    ウィンフィールドジャパン エネルギー事業部部長 能勢 広基さま

    ―――ご協力ありがとうございました!

    視察に同行した際、ウィンフィールドジャパンさまがその地域で農業をされている方と気さくに挨拶をされているのを見かけました。発電所の運営には、地域との結びつきがとても重要だそうです。
    太陽光発電所を建設することは、空き地の活用という点でもメリットをもたらします。太陽光発電所の設置によって空き地を有効活用することで、地域の景観保全と同時に持続可能なエネルギーの供給を実現することができます。
    地域の方の理解とご協力のもと、地球にとって、そして地域に良い未来につなげられるよう、丸井グループはこの取り組みをさらに進めてまいります。

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