共創
2023.9.23

「食体験を共有できる世界をめざして」一緒に新しいものをつくりあげる喜び

丸井グループは、将来世代と共に新規事業を創出するプログラム「Future Accelerator Gateway」を2020年より実施しています。先日第4回の開催が決定!現在(2023年11月5日(日)23:59まで)参加者の申し込みを受け付けています。 本記事では、前回開催の第3回「Future Accelerator Gateway」優秀賞受賞者・伴走者と共に当時の活動を振り返り、将来世代との共創のリアルな様子をお届けします。

目次

    Future Accelerator Gatewayとは?

    「Future Accelerator Gateway 」は、 丸井グループがめざす「世代間をつなぐビジネス」の創出および、起業家精神(アントレプレナーシップ)育成や、イノベーション人材の育成に向け、将来世代・丸井グループ社員相互の学びにつながるプログラムで、今回で4回目の開催となります。

    25歳以下の将来世代の方々からアイデアを募集し、選ばれた方々と丸井グループ社員がチームを組成します。起業家メンターのメンタリングのもと、約3カ月間にわたりアイデアをブラシュアップし、集大成としてデモデーにてピッチをしていただきます。

    Future Accelerator Gateway」の詳細はバックナンバーをチェック!

    将来世代とのオープンイノベーション!第3回「Future Accelerator Gateway
    https://www.to-mare.com/co-creation/2023/z3future-accelerator-gateway.html

    今回は前回のFuture Accelerator Gatewayで最優秀賞を受賞した「RelieFood」の加納さんと伴走者である丸井グループ社員の宮田さん、安保さんに当時のお話をうかがいました。

    「RelieFood」は加納颯人さんによって立ち上げられたアレルギー対応のお菓子ブランド「ISSA KITCHEN TOKYO」を提供する会社です。
    加納さんは弟さんが重度の食物アレルギーを持ち幼少期から兄弟であっても同じ食事やおやつが食べられず、食体験を共有できなかったことからアレルギーに関する課題意識を人一倍持っていました。その経験からアレルギーを持った方も、そうでない方も一緒に食体験を楽しめる世界をめざし、渡す人も受け取る人もアレルギーの心配をせず贈ることができるお菓子ブランド「ISSA KITCHEN TOKYO」を立ち上げた3人にインタビュー!

    3カ月間共に走り続けたチームの皆さんにインタビュー!

    (左から)
    丸井 店舗プロデュース部 宮田 麻里子さん
    株式会社 RelieFood代表 加納 颯人さん
    丸井 開発イベント部 安保 憂駿さん

    3カ月間のプログラムの中で大変だったことは何ですか?

    加納さん:最終プレゼンに向けた準備期間がタイトで、毎日遅くまでお二人に残っていただいて丸井グループ本社で準備をしていました。資料の作成やプレゼンの練習など大変だったんですけど、努力した結果、当日は良いプレゼンができたので良かったと思います。

    宮田さん:最後のプレゼンに向けて、聞き手に伝わるストーリーをつくるというのが大変でしたね。

    加納さん:あともう一つ大変だったこととしては、デモデーまでに試作品を間に合わせたことですね。そもそもISSA KITCHEN TOKYOがスタートしたのがアクセラレータープログラムの期間の途中からで、「デモデーの時には必ず試作品をつくろう」「皆さんに食べてもらおう」という目標を立てて開発を進めていました。試作品をつくってくださる工場とやり取りをしながら、非常にタイトなスケジュールの中で進めたので苦労しました。

    宮田さん:工場には本番用も含めて全部で3回試作品をお願いしたよね。そこの工場も初めは声掛けしても、なかなか返事が来なかったんだよね。

    加納さん:そうです。岐阜県の工場に製造委託をお願いしているんですけど、初めはなかなか距離が遠いこともあってオンライン上だとコミュニケーションがうまく取れなくて。

    宮田さん:たまたまアクセラレータープログラムの期間中に工場の方が食のイベント出店で東京にいらっしゃる機会があったので、そこにアポイントを取って社長に直接会いに行ったんだよね。

    加納さん:もともと工場の方が東京のイベントに来るタイミングがわかっていたので、「どうしても直接お会いして打ち合わせをさせてください。」と連絡して、宮田さんと一緒に工場の社長に会いに行ったのを覚えています。そこでしっかりと自分の想いを伝えられたからこそ、その後は工場のご協力もあって推進力が増した感覚がありました。

    宮田さん:加納くんも会社を立ち上げたとはいえ、スタートアップ企業なのでなかなかアポイントを取るのも難しいんだなって伴走中に気づいたんですけど、工場の方にお会いできて「丸井グループはすべての人が「しあわせ」を感じられるインクルーシブな社会を共に創るというミッションのもと、RelieFoodを応援しているんです。」という経緯を伝えると、そこの工場でも同じような理念を持たれていたので「ぜひ一緒にやりましょう!」と言ってくださったんですよね。

    加納さん:以前からその工場に試作品を依頼していたんですけど、RelieFoodはスタートアップの企業ということもあって信頼関係の構築に苦労していました。しかし、丸井グループの協力もあり、本気度が伝わったことで以前よりも工場との信頼関係を強固にできたと思います。丸井グループとの協業ということで、さまざまな信頼関係を構築できたことはこのプログラムに参加して良かったなと思える要因の一つです。

    宮田さん:そこからは工場ともスピード感をもって一緒に取り組めた感覚があるよね。

    加納さん:商品やつくりたいもののビジョンのすり合わせができたことで、工場の社長からも商品について提案をいただいたり、一緒に商品をつくっていくうえで良い協力関係が築けたと思います。

    宮田さん:製造委託している工場も全国1万以上の保育園のお菓子をつくっている工場で、アレルギーを持っている小さいお子さんでも安心して食べることができるお菓子づくりを専門としている工場なんですよね。いろいろなアレルギーを持つお子さんがいる中で、皆で同じものを食べられるようにしたいという想いを持っているそうです。その工場のターゲットはお子さんで、加納くんは大人も含めた食体験の共有を実現したいと思っているのですが、ターゲットは違えど同じビジョンを持った仲間なので、お互いの考えに共感し合えたのがとても大きかったかなと思います。

    加納さん:確かに、「アレルギーが原因で同じ食体験を共有できない」という課題をお互いに持っていることを知ることができたのは大きかったですね。

    宮田さん:そこはブレイクスルーポイントだったよね。

    今でも3人で活動は続けているんですか?

    安保さん:3月まで活動を共にしていて、振り返りの中で「今後どうしていくの?」という話があった時に、「ISSA KITCHEN TOKYOのイベントをやろう!」という話になりました。そして有楽町マルイでイベントを開催することになったので、それまでに商品の改良やイベント運営のサポートをさせていただきました。

    加納さん:ISSA KITCHEN TOKYOの製品が形になってきていたということもあって、一番最初のリリースのタイミングでイベントを開催することで、活動に弾みをつけられたらいいなと思っていました。
    それに向けて実は、レシピづくりを自分たちで行っていました。味に課題を感じていて、メンターだった株式会社 FABRIC TOKYOの森 雄一郎さんからも「プログラム終了後はもう少し味の改良も頑張っていこう!」とアドバイスをいただいたことがきっかけに、プログラム終了後にアレルギー対応スイーツコンテスト優勝者のパティシエの方に直接依頼をして、取り組みに参画いただくことになりました。

    また、生産するにあたって生産設備が足りないという課題があったんですけど、こちらもプログラム終了後に丸井グループの元VEGAN事業部経由でいくつか工場をご紹介いただき一緒に商談にも行っていただいてありがたかったです!

    有楽町マルイでのイベント出店時の様子

    チームの中でのそれぞれの役割を教えてください!

    宮田さん:私はこの中でも最年長で子どももいるので、チームの中では保護者のような立ち位置だと思って二人を見守りつつ、盛り上げていました。加納さんは起業されているだけあって行動力がすばらしいので、いろいろな部分からサポートしていきたいなと思える存在です。安保さんも実は学生時代に起業されていているので経験者としてアドバイスしてくれていたなと思います。

    加納さん:私も宮田さんのことは母親のように頼りにさせていただいていたこともありました。商談に行く時に私が名刺を持っていなくて怒られたことも(笑)。話が逸れた時もいつも軌道修正してくださるのがありがたかったです。安保さんはお兄さんのような存在で、事業に関するアドバイスから、お菓子に関する知見もたくさん持っているので、事業・ブランディング両方の視点からアドバイスいただいていました!

    安保さん:宮田さんは社内の人とのつながりを活かしてイベント出店交渉していただき、ありがたかったです。加納くんに関しては、高校生でこんなに熱心に、自身の感じる課題をもとに行動しているという点で非常に刺激を受けました。私自身も良き兄としてふるまおうという思いで一緒にご飯を食べに行ったりしながらコミュニケーションを取っていて、すごくかわいいなと思いながらも、時には厳しいことも言わなければならないので、お互いうまく刺激し合える関係性だなと思っています。

    加納さん:宮田さんがいつも軌道修正してくださったというお話なのですが、伝え方の部分を磨いていただいたというのが一番大きかったなと思います。伝えたいことがあっても、周囲にどのように伝わっているかというのは自分ではなかなか客観視することができないので、どのように伝えることでわかりやすく伝わるのかを何度も何度も宮田さんと安保さんに修正いただいたと思います。

    安保さん:たぶん、私たちもやっている時ってどうしても入り込んでしまうんですけど、ISSA KITCHEN TOKYOのことを加納くんより知らない私たちの方が客観視はできると思うので、客観的に見てどのように軌道修正していくかは常に意識していましたね。

    プログラムの3カ月間、大変さと楽しさはどちらが強かったですか?

    加納さん:楽しさの方が強かったです!最後の2週間は丸井グループ本社に入り浸っていたのですが、忙しい合間を縫って宮田さんと安保さんが様子を見に来てくださって和気あいあいとやっていました。

    宮田さん:丸井グループの社食もご案内したりして、その期間はグループ社員のように会社に溶け込んでたよね(笑)。

    安保さん:私も楽しかったですね!普段なかなか体験できないことに触れられる経験は貴重ですし、大変でしたけどそれ以上に一緒にものをつくりあげていく喜びの方が大きかったかなと思います。

    宮田さん:私も新規事業の創出をやりたいなとずっと思っていたので、この場を通じて自分もアイデアを出すことができたし、一緒に考えていると夢も広がり、加納くんの夢を応援しながら私自身も事業プランを真剣に考えていました。

    加納さん:宮田さんが「優勝狙えるから頑張ろう!」と言ってくださったのを今でも覚えています!

    安保さん:加納くんがすごく心配してたからね(笑)。だから何回も何回も「大丈夫だって!」て声をかけてたんだよね。

    加納さん:安保さんはいつでもお兄ちゃんでした(笑)。

    宮田さん:楽しくやる部分と、事業を前に進める時とのメリハリはつけられていたかな。初めは面識のないメンバーだったので遠慮したり、時には意見が合わない時もあったんですけど、お互いを尊重しながらも意見が言えるようになったのは良かったなと思います。

    安保さん:私は自分の本業やほかの仕事に対してのモチベーションにもつながったと思っています。一緒に取り組みを進める中で、お二人の頑張る姿を見たり、加納くんにおいては高校生で事業を立ち上げることって本当にすごいことだと思いますし、「自分も頑張らなきゃ」と刺激をもらいました!また、今の将来世代が社会に持つ課題感をたくさん学ばせていただいたのが一番成長につながったと思います。

    加納さん:私は弟が「皆と同じものを食べたい」と言っていたのが、本当に事業を通して実現してアレルギーを持つ方々の「一緒に食べたい」という気持ちを叶えるための一歩を踏み出せたというのが一番大きな成果だったなと思います。それを丸井グループとの共創の取り組みによって、さらに加速させることができたのでうれしかったです。結果として最優秀賞をいただくこともでき、今後一緒に事業を進めていく仲間になっていただけたことに心から感謝しています。

    対話からも非常にフラットな関係性で、同じ夢に向かってお互い切磋琢磨している様子がうかがえました!参加者も伴走する社員もお互いの成長や気づきにつながる濃い3カ月間を過ごすことができるのが、このプログラムの最大の魅力ではないでしょうか。

    現在(※)、丸井グループでは第4回 Future Accelerator Gatewayの参加者を募集しています。社会課題解決に向けて、熱い想いをお持ちの将来世代の皆さま、ぜひこの熱い3カ月間を私たちと体感しませんか?

    第4回 Future Accelerator Gatewayのお申込みはこちらから!
    https://www.0101maruigroup.co.jp/future/
    (※)募集締切:2023年11月5日(日) 23:59

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